タイに滞在していると、日本人がコトタマでいうオ次元に支配されている人種であることがよく分かる。オ次元というのは、「知識」「理論」「法則」「常識」「法律」の次元で、日本人は、このオ次元を動機として行動している人が多いように思う。
一方、タイ人を観察していると、ア次元を優先している人が多いように見える。ア次元というのは、個人的な「快楽」「快感」「幸せ」の次元で、タイ人はとにかく理屈(オ次元)を優先しない。タイ人は気分が乗らなければ仕事などしない(日本人は時間になったら仕事に行く)、食べたい時に食べる(日本人は時間になったら食べる)、というような違いだ。「時間」によって動くのも、オ次元に支配されている動きだ。簡単に言うと、「気分」によって動くのが、ア次元の動きだ。
例えば、市場で、売り場で昼寝しているおじさん、おばさんを、よく見かける。昼寝をしているのは、売り手側のおじさん、おばさんだ。こちらが何か買おうと思っても、売り手側のおじさんが寝ていて、お金を払えない。見かねた隣のお店のおばさんが来て、お金を受け取ってくれる、というシーンがよくある。仕事中でも、眠ければ寝る。「気分」のア次元優先だ。
「気分」によって動く、などと言うと、多くの日本人は、それじゃ仕事にならない、という反応が出てくるだろう。もうその時点で、仕事とは○○であるべきだ、という「理屈」「常識」(オ次元)に支配されている。
また、タイ人は、雨が降ってきたら、外に出掛けるのを遅らす。時間を守らなければいけない、という「時間」「規則」の考え(オ次元)など弱いものだ。自然に忠実、と言ったらそれまでだが、雨の中出掛けたくない「気分」(ア次元)を優先させている。
それが良い悪いはともかくとして、ここが、多くの日本人がタイ人を理解できない原因だろう。一般的に、日本人はオ次元を動機に行動する事を(人間として)当然、と思い込んでいる人が多い、ように思える。他の次元を理解し、どの次元を優先させているか、を理解していると、腹が立つ事はない。
0 件のコメント:
コメントを投稿