一年中温暖な赤道付近の熱帯地域と比較すると、日本のような四季がある、いわゆる温帯地域では、寒い冬は植物が育たないので、保存食が必要である。日本の代表的な保存食は、漬け物、だろう。私は、野菜を軽く塩にまぶした浅漬けは、日本のサラダだと思う。添加物バリバリのドレッシングやマヨネーズではなくて、浅漬けで充分なのだ。
自然が素晴らしいのは、手間をかけなくても、豆類、米類は、天然の保存食だ。水に付けておくと柔らかくなり、豆類、米類は、発芽の準備を始める。そうして、人が食べられる状態に変化する。日本がなぜ古来から、米、豆を食してきたか、よく分かる気がする。
調味料ともなる醤油、味噌、は、豆類である大豆を原料とした保存食だ。私は、最近になって、本物の味噌は、ダシをとらなくても、味噌にお湯を入れただけでも美味しい味噌汁になる、ことを知った。スーパーで売られている大量生産品ではなくて、地方だけで売られている美味しい味噌を探すのだ。醤油も同様だ。
私は、ダシをとらなくてはいけない、というのは洗脳だと思っている。日本食にはダシをとらなくてはいけない、それは面倒、だから、簡単な市販調味料はいかがですか、という食品メーカーの陰謀だったように思う。その流れが、みりん、お酢、酒、味の素、そして、だしの素、その他各調味料にどんどん広がっていったのが現代食事情ではないだろうか。
ついでに、塩も海水を乾燥させただけの自然塩は、甘みがあって美味しい。料理は、原材料にこだわって、美味しい塩、醤油、味噌があれば、他の調味料はなくても、かなり美味しく出来上がる。料理は複雑な味付けが良いのではなくて、原材料の素材にこだわった単純な味付けが美味しいと思う。複雑なソースをつくるフランス料理よりも、素材を活かすイタリア料理やスペイン料理のほうが、自然に近いし、日本人の感覚に合っているように思う。
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