この動画は、ちょっと古いですが、311地震の一週間後の3/18に、福島第一原子力発電所付近に取材に行ったジャーナリストの動画です。
私がなぜ、この動画を紹介したかというと、311震災から二ヶ月を経過して、主に関東の多くの人たちが、もう震災は終わった事になってしまって、呑気に暮らしている印象が強いのです。その理由は、放射線というものの実感がないからではないか、と危惧しているのです。(という私も、放射線がどういうものか、実感を得たのはごく最近ですが・・・)
この動画のジャーナリストも、五感では全く感知出来ていないのに、測定器(ガイガーカウンター)の目盛りは振り切って、アラーム音を鳴らしているから、その場所に長時間いてはいけないことが分かる、と話しています。もし人間の五感だけだったら、それだけ危険な場所であるか、全く分からないのです。この動画は、その状態がよく分かると思います。全部見る時間がない方は、下の部分だけでも見てみてください。
[5:10]カメラマンの広河隆一氏の計測器が、振り切れる場面が映っています。チェルノブイリの取材で有名な広河氏が、チェルノブイリでもほとんど計測されない値、と言っているのが印象的です。
[7:25]病院で放射能を測る場面で、測定器のメーターが振り切れる場面があって、汚染地域に慣れている筈のジャーナリスト2人が「何分かも居てはいけない」という慌てぶりが、この事故の深刻さを伝えてくれています。
[8:12]ジャーナリストの発言がすべてを表しています。「五感で全く感じられない、っていうのが放射能で、計測器があるから分かるんですけど、この床に塵が積もっているのかどうかも見えない、見えるレベルのもの(大きさ)ではないので分からない。それが、一番の恐怖です」
福島との程度の差こそあれ、これと同じ事が関東でも起きている筈なのです。放射線は見えないのです。人間の五感で感知できないのです。もちろん、放射性物質も見えないのです。
人間の目に見えるのは可視光線ですが、その外側に赤外線と紫外線があって、放射線は紫外線のもっと外側にあります。放射線が危険なのは、物質を通り抜ける性質を持ち、だからこそX線はレントゲン写真で骨まで撮影出来るわけですが、放射線は皮膚を通り抜ける時に、身体、細胞、DNAも同時に傷めるものなのです。それが外部被曝です。
そして、放射線を出す放射性物質は小さすぎて見えないし、呼吸と同時に肺に吸い込んでしまうのです。水や食べ物にも含まれてしまっているので、体内に取り込んでしまうのです。そして、微量でも、放射性物質を体内に取り入れてしまうと、ずっと被曝し続けて細胞を傷め続けると言われています。それを、内部被曝と言うのです。たとえ微量でも、それなりのリスクが発生してしまうのです。
放射線は人間の五感で感知出来ない、からこそ、完全犯罪が可能なのです。ぜひ、多くの人にその実感を、感じてほしいのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿